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今回のご案内は、当店からクルマで約60分、朝倉市黒川にある音と光のアンティーク資料館、「音楽館（おんらくかん）」をご紹介致します！
果実の産地、朝倉市山間部の黒川に、日本有数の音と映像機器の歴史を語る資料館がございます。それがこちら、音楽館（おんらくかん）です！
その展示数は実に2000点、総収蔵数は10000点にも及びます。
音楽館は、館長の淵上宗重氏が私財で作った私設資料館です。
物が無かった少年時代にラジオや蓄音機を独学で修理したのがきっかけで電気に興味を持ち、テレビ放送が始まるころに学生だった淵上氏はテレビに興味を持ち電気関係の学校へ入学したほどでした。
しかし時代背景と家業を継ぐために電気や映像関連の仕事を断念。ただ家業を継いだ後も、出会った音響機器は捨てずに、以後50年間集め続けたのでした。
淵上氏の故郷に近い先の大戦時まで在った「太刀洗飛行場」は、終戦間際にはそこから若者たちが特攻隊として出撃していった場所でした。当時の特攻兵の若者の遺書などの大切な資料が他の地域の資料館へ流出していることを知り、地元自治体へ資料館建設を申し入れたが予算の都合で断られ、「自分でやるしかない」と淵上氏は私財をかけて資料集めと保全に尽くしました。
1985年に国鉄民営化を受けて甘木線が廃止（現在第三セクターで引き継いで運営）、無人駅となった太刀洗駅舎は取り壊す事となりました。太刀洗駅は1939年（昭和14年）にでき、最盛期には1日2万人の利用者でにぎわい、終戦間際は先の特攻兵もこの駅から鹿児島の知覧へ出征していきました。貴重な歴史を残す駅を取り壊すわけにはいかないと、維持管理を自己で行うことを条件に当駅舎を借り受け、2年後の1987年に旧駅舎を私設太刀洗平和記念館として開館させました。
1996年（平成8年）、博多湾で97式戦闘機が引き上げられました。第二次大戦初期の陸軍主力戦闘機で、特攻機としても一番使用された機種でした。国内では初めて見つかった為、九州各地かの戦争資料施設から引取りの希望が殺到したが、陸軍太刀洗飛行場縁の機体だったこともあり、再度飛ばす事は出来ないが復元は出来ると思い私財を費やし引き受けたのでした。
廃校になった中学校のプールを利用して塩抜きを行い、その近くにあった梨の選果場跡を借りて復元作業を行いました。復元された機体は先の駅舎を利用した私設太刀洗平和記念館にて展示を開始したが、その後町の合併で公的予算が出来た際に筑前町立太刀洗平和記念館が新設された際に、なんと淵上氏がそれまで集めた収蔵品と共に97式戦闘機も寄贈しました。
そしてその戦闘機を復元する作業場として借りていた梨選果場跡の購入を決断し、新たな資料館をスタートさせます。
それがこちら、音と光のアンティーク「音楽館」です。
50年をかけて集め続けた世界でも珍しい音響機器のコレクションの数かすで、中にはアメリカのお客様が自国にはないのでとレコード盤持参で聴きに訪れたエピソードを持つような機器や、ここでしか目の当たりにできないソニー・オンキョー・山水・マランツなどの世界に誇る歴史的機器、100年以上前にエジソンが販売していて実際に奏でる音を聴ける設備など多様な展示を楽しめます。
オーディオの他にも、200年前の蔵を解体した時に出た物やアンティークなコレクション、米軍のかまぼこ型コンテナ基地の様な倉庫に太平洋戦争・朝鮮戦争・ベトナム戦争・湾岸戦争と幾多の戦争の歴史を物語るジープ（軍用）も展示されています。
福岡県の真ん中の山里奥深く、2019年9月現在で2年前の九州北部豪雨の影響でアクセスできるルートが限られるなど、まさに「隠れ名所」な音楽館ですが、世界的な観光名所になってもおかしくない、いや近い将来にきっとスポットを浴びる名所になると思う施設です。是非、訪れてみてください。
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