長野県中部と北部の境にある、標高1252mの冠着山は、別名「姨捨山」とも呼ばれ、古くから多くの歌人に詠まれた山です。

筑摩山地の東北部にそびえる聖山から冠着山にかけての稜線は、今も昔も交通の難所となっています。

京の都と東山道諸国の国府を結ぶ古代の幹線道路、東山道の支道がここを通過したとされています。峠越えは西寄りの猿ヶ馬場峠、中間の一本松峠、東寄りで冠着山直下にある古峠の三説があり、一番標高が低く、最短距離の峠である古峠が最も有力とされています。現代の国道に匹敵する当時の主要道路が通過する地であり、沿線の姨捨や更科の地名が多くの歌に登場するのもうなずけます。

江戸期に整備された北国西往還は、西側の猿ヶ馬場峠を通過したため、他の峠は次第に忘れ去られていきました。しかし、1900年に古峠の下を「冠着トンネル」で抜ける篠ノ井線が開通、輸送の主役は鉄道へと移りました。ちなみに、このトンネルは開通当時日本で最も長いトンネルでした。

現在は、猿ヶ馬場峠を越える旧北国西往還は国道403号に、一本松峠の直下には中央道長野線(長野自動車道)の一本松トンネルが貫通、県都長野と松本方面を結ぶ重要交通路が通過しています。

今回は、麻績村から古峠を越えて千曲市に至る、かつての東山道に沿ったルートを収録しました。ほぼ篠ノ井線に沿って走り、姨捨駅付近ではスイッチバックする列車と遭遇しています。

なお、林道冠着山線区間で柵が閉まっている箇所がありますが、これは鹿などの動物の侵入を防ぐためのもので、通行する場合は自分で開閉する必要があります(通過後は必ず閉める)。

★ハイライト
06:22 県道聖高原杉崎線終点
07:55 左手に冠着駅
14:36 古峠(聖高原杉崎線起点)
33:28 右手に姨捨駅
35:11 篠ノ井線鎌砥踏切(列車通過)
37:47 右手に長楽寺
42:18 正面に武水別神社

★主な走行路線
・長野県道494号 聖高原杉崎線
東筑摩郡筑北村古峠から同村杉崎に至る一般県道です。旧坂井村中心部と稜線を走る県道聖高原千曲線を短絡する路線です。

※一部風切り音が大きくなっているため、音量控えめでの視聴をおすすめします。
※撮影に当たっては、交通法規を遵守し安全運転を心がけております。
(広角レンズの特性により、実際よりスピード感のある映像となっています。)

Date : 2021-07-14
Camera : GoPro HERO 8 Black
3840 × 2160(4K) 60fps

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