平成24年、近所の佐鳴湖へ桜を見に行った。綺麗な桜を見る事が出来た。約2000年前の縄文時代後期あたりから、浜名湖とともに海から徐々に切り離されて出来上がった自然湖。 成立後は淡水化していったが、川(新川)によって浜名湖とつながっているために、1498年(明応7年)に起きた大地震や度重なる暴風雨によって浜名湖と遠州灘を隔てていた個所が決壊して浜名湖が汽水化したのに伴い、満潮時にわずかだが海水が流入してくるようになり、淡水で生息する魚の他に汽水性の魚も見られる珍しい湖となった。最近では浜名湖の塩水化の進行にともない塩分濃度が上昇し、1%を超えることもある。
人間の生活面では、蜆塚遺跡に見られるように縄文時代から貝の採集や漁業が行われ、1901年に漁業協同組合が設立され、50人ほどの漁師がいて、主にウナギの漁を行っていた。1952年ごろには200人以上がこの湖で漁業を営んでいた
水深は浅く、平均で約2m、最大でも2.5mほどである。流入河川は段子川と新川(西川)、および御前谷排水路がある。流出河川は新川で、浜名湖に接続している。
佐鳴湖で生息する主な種は以下の通りである。魚種は約50種を数える。
淡水魚:ギンブナ、オイカワ、ウグイ、アユ、ヌマチチブ、コイ、ウナギ、ハクレン
汽水魚:ボラ、スズキ、マハゼ、コノシロ、ヒイラギ、キチヌ、クロダイ、サヨリ
甲殻類:テナガエビ、モクズガニ、スジエビ
2007年度には、イシカワシラウオ、アカエイ、シマフグ、ハオコゼなども見られた
かつてはワカサギ漁やシジミ採りができるほどきれいだった佐鳴湖は、昭和30年代後半ごろから急激に水質汚濁が進み、湖水の栄養塩濃度が、一年の大部分で富栄養化レベルを遥かに超えるような状態となった。水質や周辺環境は悪化し、アオコが大量発生・腐敗し、水は濁って異臭を放ち、さらには死んだ魚が岸に打ち上げられている光景がしばしば見られた。
このような事態を重く受け止めた県や市は、佐鳴湖の水質改善のために調査や対策を行ってきた。県の事業ではヘドロ(屁泥)の底泥浚渫による除去を、市および県の事業としては上流域の下水道整備などの対策を行った。こうした対策は一定の成果はあったものの、佐鳴湖特有の性質も災いし、1999年度以降、年平均COD値が11mg/Lから12mg/Lとほぼ横ばいとなるなど、水質改善の決め手とはならかった。
そして、環境省が発表した2001年度の全国の湖沼の水質調査結果(公共用水域水質測定結果)では、水の汚濁度を示すCOD(化学的酸素要求量)の年平均値が、2000年度まで全国ワースト1位であった手賀沼(千葉県)を抜き、全国ワースト1位となった。
しかし、その後も直接浄化施設の建設や、湖岸におけるヨシの植栽など、新たな水質改善対策を継続的に取り入れていった結果、水質は改善し、2007年度の年平均COD値は9.3mg/Lとなり、全国ワースト1位から抜け出すこととなった。さらに、2009年度には7.6mg/Lとなり、全国ワースト5位以内から抜け出すことができた。
なお、2009年度現在のCOD値は、環境省の定める環境基準(湖沼Bの佐鳴湖は5mg/L以下)と比較して依然として高水準であるため、引き続き、水質改善のための対策が行われている。
ちなみに、佐鳴湖は汚濁度の高い湖ではあるが、重金属や有毒化学物質などのいわゆる有害物質が高濃度で存在するというデータはない。遊泳や飲用には適さないが、魚介類を採取してたまに食すような場合は問題ないとされる。
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