立山町芦峅寺に伝わる女性救済の儀式「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」が25日、5年ぶりに執り行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、規模を縮小して開催。18~80歳の女人衆31人が、白装束姿で目隠しをして朱塗りの布橋を渡った。
江戸時代まで、立山登拝をすれば極楽往生できるとされていたが、女性は立山への入山が禁止だった。そうした時代、女性を救済するために生まれたのが布橋灌頂会という儀式。女人衆は、この世とあの世を結ぶとされる布橋を渡る。明治時代の廃仏毀釈で儀式は廃れてしまったが、1996年の国民文化祭に合わせて復活。近年は3年に1度開いていたものの、新型コロナの影響で2年間延期されていた。