JR沼津駅から直線距離で約2.5km北西に位置する沼津市東椎路に、大型商業施設の「ららぽーと沼津」が2019年10月4日にオープンしてから約半年が経った。
ららぽーと沼津は店舗面積64,000㎡、地上1階から3階までを営業フロアとする商業施設で、県内初出店を含めた217店が入り、年間売上高は320億円を目標としている。県内では、浜松市のイオンモール浜松志都呂(店舗面積65,322㎡)とイオンモール浜松市野(同63,000㎡)と並ぶ県内最大級の商業施設で、ららぽーととしては「ららぽーと磐田(同48,800㎡)」に次ぐ県内2箇所目となる。立地環境は南に国道1号線バイパスが走り、周辺には沼津市立病院のほか、物流倉庫などの事業所が集まっている。以前この場所は市街化調整区域だったが、2017年3月の都市計画変更により市街化区域に編入され、準工業地域となった。また、準工業地域において10,000㎡を超える店舗、飲食店、劇場などの人が集まる施設の建築を制限する「大規模集客施設制限区域」にも指定されなかったことから大型商業施設の建設が可能となった。
県内最大級の商業施設のオープンということもあって影響も出ている。沼津市の住民基本台帳に基づく2019年の1年間の人口動態は、転入者7,988人に対し転出者は7,680人と転入者が308人を上回り、37年ぶりの社会増ということになった。静岡新聞(2020.1.23)によると、特に20代から30代のファミリー層が増加していて、これはららぽーと沼津での雇用創出が要因であるのではないかと報じている。一方、沼津駅南口の商店街を歩くと、以前より明らかに人通りが少なくなったようにも見えた。かつて伊豆半島全域から買い物客が集まったとされる沼津市の中心市街地は、2002年に長崎屋、2004年に丸井、そして2013年には西武沼津店と、次々と大型店が閉店している。ららぽーとのオープンによって、中心市街地の集客は、しばらく厳しい状況が続くのではないかと思う。しかし、鉄道高架化による街全体のリニューアルという明るい未来が待ち受けている。貴重な財産である全蓋式アーケードを活かし、大型商業施設には出来ない歩いて楽しい街「沼津」が復活してほしいと思う。
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