八戸は、1335年(建武2)頃、甲斐国から移封された南部師行が八戸城を築き、1592年(文禄1)廃城、1666(寛文6)盛岡藩南部直房が分封して南部藩2万石の城下町となった。現在のJR八戸駅は市街地からかなり外れた位置にあるが、もともとは八戸線本八戸駅が八戸駅だった。そして、馬淵川と井田川河口付近に港町が形成された。
八戸の古い町並みは井田川を挟んだ港町界隈に見られる。井田川の西側の小中野には、大正初期に建てられた旧八戸商業銀行小中野支店の下見板張り木造建築が残っており、切妻平入の家並みがわずかに続いている。その旧銀行脇の道を入った裏町には、広い二段の鍵型街路がある。そこはかつて遊郭だったところで、昭和初期には貸座敷39軒、娼妓160人がいたという。現在は、空地が多いが残された建物から面影をしのぶことができる。
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