鹿児島県の中央に位置し、面積547.55㎢、人口605,322人(2017.5.1)の中核市で、鹿児島県の県庁所在地。鎌倉時代から約500年もの間「島津氏」に統治され、江戸時代には薩摩、大隈、日向77万8千石の城下町として栄えた。明治4年の廃藩置県では鹿児島県庁が置かれ、明治22年(1889年)4月の市町村制施行で人口57,822人の鹿児島市が成立した。明治維新の推進役である西郷隆盛や大久保利通のほか、日露戦争でロシアのバルチック艦隊に勝利した東郷平八郎などの多くの逸材を輩出した地としても知られている。昭和の高度成長期の1967年4月には谷山市と合併し人口は38万人、その後も順調に増え続け1980年7月には50万人を突破した。近年では、平成16年(2004年)に鹿児島郡吉田町、桜島町、日置郡松元町、郡山町、揖宿郡喜入町との1市5町の合併により現在の市域となり、翌年の2004年11月には人口が60万人を突破した。
静岡県からのアクセスは、東海道山陽新幹線で新大阪または博多まで行き、九州新幹線に乗り換え最速列車で新大阪から鹿児島中央まで3時間41分、博多から鹿児島中央まで1時間16分。
中心市街地は、JR鹿児島中央駅周辺と天文館周辺のエリアで、それぞれを路面電車の鹿児島市電が結ぶ。
都会的な鹿児島中央駅周辺と南九州一の繁華街の天文館、昭和の風情が残り終着駅の旅情が漂う鹿児島駅という三つの顔を併せ持つ中心市街地だった。また、近代日本をつくった数々の偉人の生誕の地がこの中心市街地に点在し、商業集積地であるとともに観光資源が豊富で、一日二日では廻りきれないほど充実していた。天文館と中央駅周辺の関係は客の奪い合いが発生するかとの見方もあるが、離れすぎず近すぎず、この二つのエリアを鹿児島市電が上手くカバーしていて回遊性を担っていた。鹿児島県は特産品のお茶、うなぎ、かつおのほか、気候も温暖で温泉も多くこれほど静岡県と共通するものが多いとは驚いた。次回は、知覧や種子島の方まで足を伸ばしてみたいと思う。
【JR鹿児島中央駅】
鹿児島本線と指宿枕崎線、日豊本線への直通列車のほか九州新幹線が乗り入れ、1日当たりの乗車人員は20,153人(2015年度)。駅は在来線が地上駅、新幹線が高架駅で、在来線が南北方向、新幹線が東西方向に線路が敷かれているのでそれぞれが交差している。3階に2面4線の新幹線ホーム、2階には改札口や切符売り場などの駅施設のほか自由通路、1階が3面6線の在来線ホームとなっていて、駅ナカ商業施設の「えきマチ1丁目鹿児島」と駅ビルの「アミュプラザ鹿児島」が入っている。以前この駅は西鹿児島駅という駅名だったが、2004年3月の九州新幹線「新八代-鹿児島中央」間開通と同時に鹿児島中央駅に改名された。西口を出ると、路線バスとタクシー乗り場、一般乗降用スペースのあるロータリーがあり、周辺にはビジネスホテルや飲食店が建ち並んでいる。表玄関である東口の駅前広場北側には路線バス乗り場、南側にはタクシー乗り場と一般乗降用スペースのほか鹿児島市電の鹿児島中央駅前電停があり、中央付近には「若き薩摩の群像」が立っている。
【若き薩摩の群像】
慶応元年(1865年)に薩摩藩がイギリスへ派遣した19人の留学生。
【えきマチ1丁目鹿児島】
店舗面積7,300㎡、「みやげ横丁」や「ぐるめ横丁」のほか、店舗面積5,500㎡のビックカメラ鹿児島中央駅店などが入る駅ナカ商業施設で2010年2月にオープンした。
【アミュプラザ鹿児島】
店舗面積38,000㎡、本館とプレミアム館の2棟からなり、地下1階から地上7階までを営業フロアとする駅ビルで2004年9月にオープンした。有名セレクトショップや109などのファッション関係、東急ハンズ、紀伊国屋書店、島村楽器などの専門店のほかシネコンなどが入り、屋上には観覧車のアミュランがある。
【ナポリ通り】
鹿児島中央駅東口から東側へ約550m続く大通り。イタリアのナポリ市にあるナポリ湾とヴェスヴィオ火山に対し、鹿児島市にある錦江湾と桜島のある風景が良く似ているということから、鹿児島市とナポリ市の姉妹都市が結ばれた1960年にナポリ通りと名付けられた。
【イオン鹿児島中央店】
店舗面積17,124㎡、地下1階から5階までを営業フロアとする商業施設。このビルの6階以上のフロアには、クリニックや鹿児島市勤労者交流センターなどの公共施設も入っている。
【鹿児島中央ターミナルビル】
【一番街商店街】
鹿児島中央駅から南側へ南北約280m続く全蓋式アーケードを有する商店街。この商店街は、終戦直後闇市が形成され、やがて露天商が並ぶ朝一へと変化して現在に至ったという経緯があり、一時は鹿児島県下一の賑わいを見せたという時代もあった。
【中央町19・20番街区再開発事業】
地下1階、地上24階建て、高さ101.1m、延床面積47,000㎡の再開発ビルを2020年10月に完成させるという事業。地上1階から7階までに商業、業務施設のほかホール施設、上層階は約200戸のマンションとなる計画で、総事業費は約222億円を見込んでいる。
【ベル通り】
南北約280m続くオープンモール型商店街で、主に居酒屋など多くの飲食店が軒を連ねている。
【維新ふるさとの道】
高見橋から高麗橋までの甲突川を挟んだ両岸の遊歩道。広場やオープンテラスのほか、大久保利通生い立ちの地、維新ふるさと館、西郷隆盛生誕の地などがある歴史散策スポット。
【大久保利通生い立ちの地】
【維新ふるさと館】
地下1階、地上1階建て、延床面積2,514㎡の施設で、鹿児島市の外郭団体が運営する歴史資料館。幕末、明治維新で活躍した英雄たちのエピソードや日本の歴史が学べる様々な資料が展示されている。運営者は全国の修学旅行の誘致も積極的に行っていて、2014年度の入館者数は157,351人。
【西郷隆盛生誕地】
【東郷平八郎生誕地】
【大久保利通像】
【鹿児島市電】
鹿児島市交通局が運営する路面電車で、鹿児島駅前から谷山までを結ぶ1系統、鹿児島駅前から鹿児島中央駅前を経由して郡元までを結ぶ2系統の路線がある。運賃は全区間170円(小児80円)均一で、運行頻度は日中で毎時10本前後。
【タカプラ】
店舗面積3,844㎡、地上1階から6階までを営業フロアとするファッション関係を中心とした商業施設。1970年代前半までは「大見高島屋」が営業していたが、1975年に百貨店から業態転換してオープンした。
【天文館】
鹿児島県最大で南九州随一の繁華街。江戸時代後期に薩摩藩第8代藩主の島津重豪が、この地に天文観測所を設置したことに由来して天文館と名付けられ、商店街や歓楽街のほか、百貨店などの大型商業施設が集まっている。
【天文館G3アーケード】
南北約170mの全蓋式アーケードを有する商店街で、飲食店を中心に場外舟券売場のミニボートピア天文館のほか、パチンコ店やカラオケ店なども集まっている。
【銀座通り】
G3アーケードから約160m南側へ伸びていて、主に居酒屋が集まっている。
【天文館本通り】
G3アーケードから電車通りを渡って北側へ約230m続く全蓋式アーケードが設置されている商店街で、主に物販店が多く集まっている。
【テンパーク通り】
天文館本通りから北側へ約110m続くオープンモール型商店街で、主にファッション関係の店舗が集まっている。
【ぴらもーる】
【にぎわい通り】
【はいから通り】
【天文館文化通り周辺(歓楽街)】
【マルヤガーデンズ】
店舗面積13,800㎡、地下1階から地上8階までを営業フロアとする商業施設で、2010年4月にオープンした。以前このビルは三越鹿児島店が営業していたが2009年に閉店し、その前身の丸屋デパート時代から約50年間続いた百貨店から業態転換した。
【照国神社】
照国大明神である薩摩藩第11代藩主「島津斉彬」公を祀った神社で、文久2年(1862年)に創建された。明治15年(1882年)に別格官幣者に昇格し、鹿児島の総氏神様として多くの人々に崇拝されている。
【照国表参道】
【LAZO(ラソ)表参道】
地上6階建て、延床面積6,224㎡の複合ビルで、2012年5月にオープンした。アウトドア関連の専門店や飲食店、保育園のほか、3階から6階までのフロアには875席を擁するシネコンの「天文館シネマパラダイス」が入っている。
【山形屋】
店舗面積33,000㎡、1号館、2号館、3号館、4号館などからなり、地下1階から地上7階までを営業フロアとする百貨店で、2014年度の売上高は464億円。宝暦元年(1751年)に、出羽国山形の出身の源衛門が呉服太物行商を興し、その後、薩摩藩の商人誘致政策を機に薩摩に店を構えたのが始まり。鹿児島の山形屋のほかグループ会社として、宮崎山形屋、川内山形屋、日南山形屋、国分山形屋などの百貨店のほかスーパーマーケットの山形屋ストアなどがある。
【中町コアモール】
はいから通りから照国表参道を渡った南北約130m続く全蓋式アーケードが設置されている商店街。
【中町ベルク】
山形屋の南側から東西約170m続く全蓋式アーケードが設置されている商店街で、その西側にはイベントスペースの中町ベルク広場がある。
【納屋通り】
山形屋の南側に位置し、東西と南北にそれぞれ全蓋式アーケードが設置されている商店街。歴史は古く、江戸時代、初代薩摩藩主の島津家久公お墨付きの48の魚問屋が開設されたのが始まりで、昭和10年代まで公認の魚市場として賑わった。
【鹿児島銀行本店】
鹿児島銀行は明治12年に第百四十七国立銀行として創業したのが始まりで、資本金は181億3,000万円、鹿児島県内を中心に宮崎県や熊本県など152店舗を構える地方銀行。現在、地上13階建て、高さ67.85m、延床面積21,598.69㎡の新本店ビルを、2019年10月ごろの完成に向けて建設工事が進められている。
【南日本銀行本店】
【鹿児島市役所】
【中央公園】
【鹿児島県立博物館】
【西郷隆盛銅像】
【鹿児島市立美術館】
【鹿児島県立図書館】
【鶴丸城(鹿児島城)】
初代薩摩藩主の島津家久が関ヶ原の戦いの直後に築いた城で、城山を背後にその山麓に城郭を備え、天守を持たない屋形造りの平山城。屋形の形状が、鶴が翼を広げているような形をしていることから鶴丸城と言われ、石垣には西南戦争の時についた弾痕が生々しく残っている。
【鹿児島地方裁判所】
【かごしま県民交流センター】
【JR鹿児島駅】
鹿児島本線と日豊本線のほか指宿枕崎線への直通列車が乗り入れ、1日当たりの乗車人員は1,599人(2015年度)。駅は2面4線の地上駅で、東側にホーム、西側に駅舎があり、鹿児島本線と日豊本線の終着駅となっている。駅前広場には路線バスとタクシー乗り場のほか鹿児島市電の鹿児島駅前電停があり、周囲には飲食店が点在していた。
【西郷隆盛洞窟】
【西郷隆盛終えんの地】
【鹿児島県庁(鹿児島県)】
鹿児島県は九州地方の南部に位置し、面積9,187㎢、人口は熊本県に次ぐ全国24番目の1,627,919人(2017.5.1)。種子島、屋久島など28の離島面積は全国一の2,485㎢を有し、農業算出額は全国4位の4,109億円(2013年)で第一次産業の比率が高いのが特徴。鹿児島市、霧島市、鹿屋市など、19市20町4村で構成されている。
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